ブックタイトルJAびほろ広報 グリーンタイム 2015年10月号(No.596)
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JA美幌の組合員向け広報誌 グリーンタイムを紹介します。
5 今月の運勢【蟹 座】6/22~7/22【全体運】感情的になりやすい時期。自身のイライラに気付いたら、深呼吸でリラックスを。部屋の片付けも開運効果絶大。【健康運】話題の健康法に注目を。有益な情報あり。 【幸運を呼ぶ食べ物】ユズ立つ農協組織は最大の「抵抗勢力」であり、これをつぶそうとして出てきたのが農協改革だという見方を多くの人がとっています。それだけではありません。規制改革会議の提言はTPPへの参加を前提にしたものであり、そうなれば現在の農家(小規模家族農業)ではもたないから、大規模な企業(会社)農業に転換しなければならないとしています。そしてそれを実行するために邪魔になる農業委員会や農協を解体し、農地を所有できる農業生産法人における農外企業の権限を強めようという構成になっているのです。● 弱肉強食に挑む人類の知恵協同組合は、弱肉強食の資本主義経済のなかで、黙っていれば強い者に飲み込まれてしまう運命にある経済的弱者が、一つ一つは小さい自分たちの力を結集することで、大きな経済に対抗し、自らの存続を図るために生まれたものです。まさに人類の知恵といってよいでしょう。先進国、とくに西欧諸国では、協同組合が多面的に発達し、国民生活の広範な分野に及ぶことで、分厚い中間層に支えられた奥行きの深い国民経済を築くことができました。また消費生活協同組合の発達は、悪徳商人を追放し● 株式会社と異なる協同組合原則現在の農村には、専業農家もいれば兼業農家もいて、階層間格差もかなりあります。しかし村落の構成員としては誰もが平等な発言権を持ち、公平に村仕事を分担し、何かあれば互いに助け合って暮らしています。それは村落共同体の歴史に根差しているとともに、農協に結集して協同の倫理を体現してきたからでもあります。もしここに世の中が変わったのだからといって、資本主義の原理、株式会社の運営原則を持ち込んだらどうなるでしょうか。株式会社では一人一票でなく、所有株数に応じて発言権が強くなりますから、株主の経済力の差が会社運営にはっきりと出て、五〇%以上の株を持てば独裁も可能になります。村の中で威張っているうちはまだいいのですが、外部からの買い占めにあえばひとたまりもありません。こういう会社は農民から安く買いたたき、連作障害もかまわず特定の作物の栽培を強制し、農地がダメになれば放棄して他に移るでしょう。みんな実際にアメリカなどで起きたことです。農業と農村の実際に即して協同の価値を再確認することが大切です。て近代的商人(売り手と買い手の仲介をし、手数料を受けとる、いわゆる「手数料商人」)を育て、流通過程の近代化に大きく寄与しました。多くの国では、このような協同組合の国民経済への貢献を認め、協同組合法を施行してその保護に努めてきました。わが国でも、戦後の新憲法下の一連の民主的改革のなかで、協同組合には重要な地位が与えられました。産業組合は戦時体制において国家統制機関に変えられていましたが、これを改めて近代的協同組合とする法改正が行われ、農業協同組合をはじめ、先に見たような各種協同組合が国民経済の広い分野に設立されました。財閥解体や農地改革の成果を守り、大資本の一人勝ちを許さず奥深い国民経済を築く「経済民主主義」を実現するためです。安倍政権は、憲法や安全保障などあらゆる面で「戦後レジーム」からの脱却を志向しており、農政においても「非連続的な農業改革」を行おうとしておりますが、「非連続的な改革」とはまさにこの「経済民主主義」という戦後レジームへの挑戦です。したがって経済民主主義を支える協同組合の存在意義について無理解であるのは当然であり、農協への攻撃は農協にとどまらず、すべての協同組合に及ぶと見なければなりません。1939年生まれ。1968年北海道大学大学院農学研究科博士課程単位取得。1990年北海道大学教授。その後、同大農学部長、大学院農学研究科長、日本協同組合学会会長、日本農業経済学会会長などを経て、2003年北海学園大学経済学部教授。現在、北海道大学名誉教授、北海道地域農業研究所顧問。主な著書は『明日の農協』(共著 農文協)、『系統再編と農協改革』(農文協)、『新北海道農業発達史』(編著 北海道協同組合通信社)、『農協の大義』(農文協)など。太田原 高 昭(おおたはら たかあき)